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第30話 女帝の品定めと、招かれざる客⑦

مؤلف: 花柳響
last update آخر تحديث: 2026-01-17 18:01:31

「……ところで、湊様」

 不意に、背後から氷のような声がかかった。

 ビクリとして振り返ると、そこには綾辻麗華が立っていた。

 完璧な微笑みを浮かべているが、その目は笑っていない。先ほどの敗北などなかったかのように、凛とした態度でそこにいる。

「今日は、残念でしたわね。華枝様のご機嫌を損ねなくて何よりでした」

 彼女は私を一瞥もしない。完全に無視だ。

「それより湊様。来週の『インペリアル・ガラ』のことですが……当然、エスコートしていただけますわよね? 私のドレスブランドのお披露目も兼ねておりますし」

 インペリアル・ガラ。

 詳しくは知らないが、湊のホテルで開催される大規模なパーティーのことだろう。

「……ああ。予定通り手配しよう」

 湊があっさりと答える。

 え。

 私は思わず彼を見た。婚約者の私がいるのに、元カノをエスコートするの。

 麗華は、勝利の笑みを浮かべて私を見た。

「あら、朱里さん。ご存じない? これはビジネスですのよ。九龍家の繁栄のための、ね。……『お人形』遊びも結構ですけれど、公の場では、相応しい『格』というものがございますの。わきまえてくださいませ」

 そう言い捨てると、彼女は香水の匂いを残して優雅に去っていった。

 あとに残されたのは、モヤモヤとした胸のつかえと、言い返せなかった悔しさ。

「……ビジネス、なんだ」

 私がポツリと言うと、湊は私の顎を指で持ち上げ、無理やり自分の方を向かせた。

「嫉妬か」

「はぁ? 違うよ。ただ、契約上の婚約者がいるのに、他の女性と……」

「あれは彼女のブランドの宣伝だ。僕にとってもメリットがある」

 湊は冷徹な経営者の顔で言った。

「それに、君にはもっと重要な役目がある」

「役目?」

「ああ。そのガラ・パーティーで、君を正式に『僕の婚約者』として社交界に披露する。……今
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